篠原文具まわりのいろいろ

神奈川県のとある町にある文房具屋です。

社長の仕入れセンス

篠原文具の仕入れは社長がやる。

 

1ヶ月に1度、見本市という問屋さんが行う展示会に、

各メーカーが出展して、新製品などを売り込む。

社長がそこに行って仕入れをしてくる。

それ以外にもお店に直接来るメーカーから仕入れることもあるけど。

 

ときどきビックリするような商品が入荷する。

 

一番ビックリしたのは、

3500円くらいするMade In Italyのノート。

表紙が厚くて、ゴムでとめられて、

中に鏡がついていたり、ゴムにスワロがついていたり。

篠原文具が銀座にあったら売れたかもね。

売れたのを見たことがない。

 

あと、木の立体パズルを仕入れたこともある。ピアノとか、アルパカとか、結構細かい木のパーツがいっぱい入っていて、

順番に台紙からはずさないと、絶対に組み立てられないようなパズル。

出来上ったら大満足なんだけど、

1枚1000円以上する。

小学生が一人で作れる代物ではないし、

大人が子どもに買ってあげるにはちょっと高い。

私が知る限り売れたのはひとつ。

下の子の病院の間、見ていてと頼まれたおばあちゃんが、

小4の男子をおとなしく家に置いておきたくて、

何かないかと篠原文具に来たのだけど、

小4の男子に気に入るものはなく、このパズルならやる!とごね、

おばあちゃんは1000円以上するじゃないの!と半ば切れ気味。

それひとつだけ。

 

でね、こういう、誰が買うんだ?っていうものが入荷すると、

坂東さんは必ず

「ケッ」って言う。

何がいいんだかね~って。

 

そして、しばらくいい場所にいたそういう商品は、

坂東さんがどんどん死に商品コーナーにおいやる。

篠原文具にはあまり売れない死に商品コーナーがあるんだよ。

 

ちなみに、以前、

九州かどこかに、何でも揃うスーパーというかホームセンターがあって、

そのドキュメンタリーを見たんだけど、

1年に1回売れるか売れない商品でも置いておかなくてはいけないんだって。

そういうのがあることによって、あそこに行けばある!って消費者は思うらしい。

 

だから社長の「なんじゃこりゃ、誰が買うんだ?」商品も篠原文具には必要なんだろうな。

 

でも、りこちゃんや奥さんに、

また売れないもの買って・・・

って言われてるんだって、社長は。