配達
篠原文具は配達もやる。
たいていは昔からのつきあいのところばかりだけど。
いつも「至急」と言うオバサンが二人いる。
テプラテープ1個を至急持ってきて!というのはちょっとひどいのではないか。
お客さんだからイヤとは言わないけど、
電話でイヤだなという雰囲気を出す「間」をとるのがうまいんだ、坂東さんは。
配達はたいてい社長が行くんだけど、
社長は至急と言われてもすぐは出ていかない。
いつも至急至急なんだもん、遅く行こうと思ってね、と言いながら、
1時間はあっためる。
こういうところ、社長はうまいんだよ。
二人とも、根っからの商売人だなって思う。
利益と義理と愛想のよさともろもろのバランスが絶妙だと思う。