篠原文具まわりのいろいろ

神奈川県のとある町にある文房具屋です。

水引

弟の古希のお祝いの袋を買いにきたのだというオバサン。

 

結婚のお祝い袋をレジに持ってきた。

 

この水引は使えませんよと言うと、

 

ダメなの?

ちょっと変わった、きれいなお祝い袋がいいのよ、と言う。

 

この水引は二度あってはいけないものに使うものなんですよ。

だからほどけないようになっています。

 

弟が古希ならこのオバサンはもっと年が上なのに、

それを私が説明しなくてはいけないのだろうか・・・

 

でも、70歳は二度ないわよねと言う。

 

お誕生祝は二度あっていいものですし、

結び切を使うと、もう二度とお誕生祝はしないという意味になってしまいますよ。

 

あらそうなの・・・

 

不満そう。

 

印刷ではなく、ちゃんと水引が結んであるお祝い袋は、

紅白の水引で、袋も白で、

確かに面白味はないし、

かわいくも、きれいでもないんだけど、

そこにこだわるより、

水引の意味をかんがえましょうよ、と思ってしまった。

 

前に来たお客さん、

水引の意味を知らず、蝶結びのお祝い袋を結婚する友達に渡したら、

のちに、あなたのせいで離婚したと言われたそうだ。

 

結局、ひとつだけあった、水色の袋に、青の水引がついたお祝いの袋を買っていった。

 

私は言わないけど、

 

坂東さんは

「中身出したら袋は捨てちゃうんですから、そんなにこだわらなくても大丈夫ですよ」

 

って言うね。