篠原文具まわりのいろいろ

神奈川県のとある町にある文房具屋です。

必ず車で来るお客さん

篠原文具のある街は車社会ではない。

道路が狭いし、駅の周辺にある商店街でそこそこの買い物は済んでしまうから。

国道沿いの大型店やモールで買い物をするっていう街ではないのだ。

 だから篠原文具に来るお客さんは、徒歩または自転車。

でも絶対、車で来るお客さんがいる。

もちろん車で来るような距離に住んでないよ。

 

社長は篠原文具のあるビルと、自宅ビル、

そしてその間に結構大きな空き地兼駐車場を持っているので、

お客さんはここに駐車できるんだけどね。

 

その1

建設関係の会社を経営している人。

言葉遣いとか、風貌とか、あちら方面の人かもって勘ぐってしまうような人。

パンチパーマに近い髪形だし。

バブルの頃、セカンドバッグと喜平のネックレスをジャラジャラつけてたと思う。

来ると、だいたいめんどくさいことになる。

「こういうの、ねぇかなー」と言って、自分のイメージを伝えてくるんだけど、

まぁ基本その商品は世の中に存在しないね。

この前は、

マンションの改装工事をするので住民に工事予定を知らせたいのだけど、

なんかねぇかなーと言ってやってきた。

結局、ホワイトボードの枠だけ買っていった。

よく、会議なんかでどこかに行くと、エレベーターホールに「→〇〇会議室はこちら」というホワイトボードが置いてあるでしょ。

あれのホワイトボードがない枠だけのやつ。

この枠に自分のところにあるボードをはめるんだって。

工事屋さんだからお手の物。

 

これを買うと決めるまでにもすったもんだがあったわけ。

坂東さんが基本、対応するんだけど、

(社長が最初は話を聞いてるけど、そのうち得意技のスーッといなくなるを出してたから)

坂東さんも右往左往。カタログをめくったり、あーでもないこーでもないと話したり。

コピー機を置いてもらったりして、太いお客さんのようで、

適当にあしらうことはしないのさ。

普通のオジサンが言ったら、たぶん、

「そういうのは置いてないなー」で片づけるけどね。

坂東さんは商売人だから。

 

その2

孫がきっとたくさんいるんだと思う。

いっつもポチ袋を買いに来るの。

坂東さんは「中身が入ってれば何だっていいんです」っていう人なんだけど、

このオジサンは、この柄は子供には受けるのかとか、いろいろ聞いてくるわけ。

ポチ袋とか、祝儀袋って、水引が見合っていればあとは好みだからね~

相談にのりようがないわけさ。

そして、整髪料の香りがきつい。

(なんだっけなーーー子供のころオジサンがみんなつけてたやつ。VO5っていうんだっけ)

だから、あまりそばに寄りたくないの。

 

このオジサンは駐車場ありますよって言ってるのに、

いつもお店の真ん前に駐車するの。

お店の前は車の通りが結構あるから、クラクションをよく鳴らされてる。

お店の入口を塞ぐように駐車するから、

坂東さんは「また・・・」って小声で文句言ってるんだ。

 

その3

イヤミみたいなひげをはやしてて、

髪をペターっと七三になでつけてるオジサン。

この人はサンダルをペタペタいわせてお店の中を歩いてる)

 

3人とも、来るとめんどくさいんだ。