営業の質
篠原文具にはたくさんの営業さんが来る。
比べると面白いね。
その人の質がそのままメーカーのイメージになってしまう。
たいていの営業さんは
「こんにちは~〇〇(←メーカー名)です」
って言いながら入ってくる。
文具メーカーの〇〇ですって言いながら入ってくる人もいる。
うちは文房具屋なんで、食品メーカーは出入りしないよって、
心の中で突っ込んでしまう。
スーパーとか、文房具屋さん以外のお店に商品を入れてたりするから、
わざわざ文具メーカーを名乗るんだろうけど、
完全な文房具屋さんに来るときは、名乗りを変えようよ。
前に来ていたM社の若者は
見るからにコミュニケーション障害だった。
他社の営業の中でも有名だったみたいで、
たまたまうちで一緒になったときは「この人がそうなんですね」ってジロジロ見てた。
Zの営業は完全に坂東さんに嫌われていた。
嫌われた瞬間にたぶん立ち会ったと思うんだけど・・・
坂東さんが、ボールペンのインクについて質問したの。
油性とジェル(ゲルともいう)って何が違うわけ?
坂東さんの中ではもう答えが出てる質問なのね。
つまり試したってことなんだけど。
油性は油でできているからべたべたしていて、
ジェルは、水と油は本来混ざらないものだが、水と油を特殊な方法で混ぜているので、
油性より書き味がさらっとしているけど、
水性みたいにこすれてにじむことはない。
↑
これが坂東さんの正解。
Zの営業は、
30ちょい前くらいの女性だったんだけど、
「難しい質問しないでくださいよ~」
ってしなを作ったわけです。
たぶん他の文房具屋さんではこれで通用したんだろう。
技としてこれを出したんだろうけど、坂東さんには逆効果だった。
油性とジェルの違いとか、メリットとか、たぶん彼女は説明できたのに、
はしょったんだよな~
それでそれからは来るたんびにやんわり嫌味を言われてたな。
「まだいるの?もう注文するものはないから早く帰って遊びに行きな~」って
やわらかい表情と、おどけた声で言ってるんだけど、
気に入らない感じがバシバシ出てた。
気づいてたのか気づいてなかったのかわからないけど、
1時間くらいお店にいて、倉庫から在庫を出して店頭に補充したり、
倉庫にないものを丁寧に拾って発注書を書いたりしてたけど、
「まだいたの~~」って何度も言われた。
めげないのが営業だ。
営業さんはどれくらいのスパンで交代するのかよくわからない。
人事異動ではなく、課内での担当がえだから、時期っていうのはないんだと思う。
ずーっと来る人もいるし、
え、もう?っていう人もいる。
営業のノウハウって
先輩から教わるのか、教わらず自分で身に着けるのかわからないけど、
そのとき来ている営業の質で仕入れもずいぶん変わるよね。
Mの彼のときは、彼の提案はほぼ受け入れられなかったし。
そして何より言葉遣い、大切だね。
さっき来た営業さんは
「前任の営業の〇〇から、カタログをいただいていますか?」
(なんかおかしくない?この日本語)
私ならこう言うね。↓
「前任の営業の〇〇は、カタログをお渡ししていますか?」とか、
「カタログを差し上げているでしょうか?」じゃない?
営業さんってその人そのもので勝負になってしまうんだよね。
人柄とか、頭の回転のよさとか。
難しい仕事だよね。