篠原文具まわりのいろいろ

神奈川県のとある町にある文房具屋です。

三枝さん

三枝さんは今はもういない。

実家に帰ってしまったから。

 

篠原文具の話を友達にするとき、三枝さん抜きには語れないのだけど、

やめてしまった人の話を書くのはどんなものかなと思ったので書かずにいた。

でも、三枝さんのことをミョーに気に入っている「もこ」のために

書いておくね。

 

三枝さんのフォルム・・・

とにかくデカい。

身長は170センチはある。

体重はわからないけど、たぶんかなり。

そして長くて硬い髪の天パを細かい三つ編みにしている。

これだけで一度見ただけで忘れない。

 

三枝さんはとても仕事ができる。

商店街のポスターとか、お買い物マップとかを、

イラストレーターとか、その他よくわからないソフトでさささっと作ってしまう。

文房具の知識もかなり豊富。

三枝さんは10年以上篠原文具にいたらしいが、

今年8年目の私は3くらいしか仕事ができないが、

三枝さんは10以上。

この道55年以上の坂東さんと変わらない。

いや、坂東さんはパソコンスキルが皆無だから、坂東さん以上だね。

 

三枝さんエピソード

①三枝さんは食べることがとても好きだ。

よく私に食べ物の話をしてくる。

篠原文具の近くのあのお店に行って〇を食べたんですけど~と言われたときは、

私は身構える。

あのお店の〇という食べ物、私は好きだなと思っていても、

三枝さんにはバッサリ、おいしくないとか、見た目がどうもねとか斬られてしまうから。

好みの問題で意見を戦わせるのもばかばかしいし、

そもそも、そんな話をしなくてもいいと思ってるので、

〇を食べたんですけど~と言われたら、

あぁ〇ね~と言って、三枝ンさんのコメント待ち。

そして、それに同調する。

趣味があって、あれおいしいよねって話がまとまるときもあるけどね。

 

食べるのが好きだから料理も好きだ。

作り方とかよく教えてくれた。

でも三枝さんのアパートには冷蔵庫がないから作り置きができないんだって。

飲み物くらいしか入らない小型の冷蔵庫(冷凍庫なし)があるから、

そこにはヨーグルトくらいしか入れてない。

作り置きができないから、料理はお友達が来るときくらいしかしてないみたいだった。

 

三枝さんは手先がとても器用だ。

編み物をよくしているし、

一時期、つまみ細工にとても凝っていて、ヘアピンを作ってくれた。

オカダヤにもよく行っていた。

三枝さんの実家近くの道の駅で、三枝さん特製アクリルたわしが買えます。

 

三枝さんはゲーム好き。

夜中に知らない人と対戦ゲームをよくしてた。

いろいろ説明してくれたけど私はちんぷんかんぷん。

 

三枝さんの実家のご家族は興味深い。

認知症のおじいちゃん、お釜に入ってたご飯を全部食べたとか、

ひきこもりのおじさん(お父さんの弟)がお母さんがいない間にお釜のご飯を全部食べたとか、

三枝さんの弟はお釜にご飯が残っていると、それが何合でも全部食べるとか。

お釜シリーズの話は一度に聞いたわけではないけど、

今思い返してみると、お釜シリーズになっていて面白かった。

 

お母さんは歌謡曲にあわせて踊る会に入っていて、

その関係でなんとかいう演歌歌手(全く売れていないけどね)のファンクラブに入っている。

何か月かに1回、この演歌歌手が来るので(要するに旅役者ならぬ旅歌手)

そのたびにチケット買ったりCDを買ってるらしい。

ただその歌手があまりに売れないので、踊りの会のメンバーもさすがに応援するのに飽きてきて、次のチケットは買わないと言っていたけど、

その後、どうなりました?三枝さん。

 

三枝さんは大河ドラマが大好きだ。

毎年必ず見ている。

だから日曜日にでかけたとしても、8時までには家に帰ると言っていた。

たぶんビデオを持っていないのだと思う。

ずいぶんギリギリまでアナログテレビを使っていたくらいだから。

あ、でも、三枝さんは電気製品にとて明るいよ。

パソコンの組み立てもやっちゃうし。

たぶんリアルタイムで見ることにこだわってるんだと思うな。

 

三枝さんは実家に帰って働きだした。

どこで働いてるのかと思ったら、

うちの市の宿泊施設が三枝さんの実家の近くにあって、

そこの事務をしてるんだって。

お店のお客さん、その宿泊施設に遊びに行き、

三枝さんにバッタリ会ったと言っていた。

やっぱりあのフォルムだから忘れられないんだなぁ。