っぱなし
社長は篠原文具の仕事以外も、
商店街、町内会、その他もろもろ、いろんな団体でお役目を担っているし、
どの団体でもご意見番的な地位にある。
だからたくさんの人が社長のところにやってきて、
相談ごとや頼みごとをしていく。
帳簿をつけているときに、
商店街のチラシの仕事を頼まれてその原稿が来る、
そうこうしているうちにお客さんに取り寄せを頼まれ、カタログを開く、
電話がかかってきてメモする、
商店街の人が来て、相談ごとをもちかける。
そのたんびに手をとめてちゃんと対応するので、
ぜーんぶの書類やら資料やらが散乱、
開きっぱなしになる。
そして、スーッといなくなる。
ほんとにスーッといなくなるんだよ。
今やってやたよね?もう終わったの?
これはどう見ても途中だよね?っていう状態で、
スーッとね。
っぱなしのまま。
でも、忘れないし、なくさない。
だから社長がいた場所はさわらないようにしてる。
本人がわかるようになっているから。
時々、これはゴミだろうなと思っても、もしかして…があるので、
2,3日そこに置きっぱなしにしておくことがある。
今も商品のノートが入っていたビニール袋がそのまま置いてある。
おとといからあるな。
もしかしたらその袋にはってある品番のついたシールを見たいのかもしれないから。
明日もあったら捨てちゃおうっと。