篠原文具まわりのいろいろ

神奈川県のとある町にある文房具屋です。

夏休みの宿題 工作 ①のパターン

小学生の夏休みの宿題の王道、工作。

篠原文具にも工作の材料を買いにたくさんの子どもたちが来ます。

その子どもたちには2パターンあります。

①お母さんと来る。お母さんが何を作るか決めて、お母さんが材料を選ぶ。子どもは蚊帳の外。はっきりいって興味なし。

②工作の作り方の本やインターネットから印刷したものを持って、子ども本人が材料を買いに来る。

 

①のパターンね。

 

昨日来た母子。

小学校1年くらいの女の子。

3歳くらいの妹。

白いノースリーブブラウスがよく似合う若いママ。

(余談だけど、ノースリーブを着るのはちょっと勇気がいるね)

 

ママは折り紙コーナーに座り込んで、色選びに夢中。

お姉ちゃんは一応隣にいるものの、何を作るのかいまひとつイメージがつかないので、ただそこにいるだけ。

 

妹は全く関係ないので、おもちゃ箱のような文房具屋さんで、あっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロ。ちょっと色のきれいなキーホルダーをさわっていたら、包装が破けてしまった。さすがにそのまま戻せないと思ったものの、ママに見せたら何を言われるかわかっているので、お姉ちゃんに無言で見せる。

すかさずチクるお姉ちゃん。

このママは立派でしたね。大きな声で叱るのではなく、「もーなんでさわるのー。いらないけど買うしかないね」と声のトーンを変えず、かごに入れる。無駄に高いキーホルダーなのに。

そして再び色選びに没頭。

ついにお姉ちゃんも飽きてしまい、あっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロ。姉妹揃って店内を歩き回る。

 

あまりに長い時間、折り紙探しをしているので、

「何かお探しですか」と坂東さん。

 

切り絵でヒマワリを作りたい。

 

和紙なんかどうですかね~

 

和紙コーナーに移動。

 

「〇〇ちゃーん」とお姉ちゃんを呼ぶ。

これで葉っぱ作ったら面白いと思うんだけど。

なんで折り紙じゃダメなの?

こっちのほうが面白いって。

 

はじめからそうだったけど、この時点では完全にママが作りたいものを探している。

 

これはイヤ、と言って和紙を振り回す。

 

キーホルダーに続き、しわくちゃになった和紙を買わされてはたまらんと思ったのか、

「わかった、わかった。折り紙にしよ」

 

「なんで和紙じゃないの?折り紙はイヤ」

お姉ちゃん、もはや何を買いたいのか、完全に見失う。

そりゃそうだよね。

自分で作ろうと思ってないんだから。

 

そしてしくしく泣き始める。

お姉ちゃんが泣いているのを見て、空気を読まない妹が

「なんで泣いてるの?折り紙買わないの?」

ママは妹を完全無視。

妹はさらに声が大きくなる。

 

お姉ちゃんに泣かれ、妹がその間に入ってきてめんどくさくなったママ。

じゃあ、もういい、今日は買うのやめよう。

 

なんで買わないの?

しくしく…

なんで買わないの?

大声の妹。

 

とりあえず必要な糊だけ買って帰っていきました。

 

しばらくたって棚の影からお姉ちゃんが出てきた。

 

落ち着くまでここにいたのね。